音質と音楽に思う

夏くらいから、月一で練習しているハワイアン・バンドにお邪魔するようになったのですが(まだ2回しか行ってないです)、先日の練習で、慌てていてウクレレを持っていくのをうっかり忘れてしまったことがありました。(←こらこら)


ほとんどコーラス担当みたいな感じなので、ウクレレ無くてもいいかな… と思ったのですが、さすがに何もないと手持ち無沙汰だな、と思いなおし、練習場の近くで二千円くらいの安いウクレレを調達して、その日をしのぎました。音程はまずまずちゃんとしていたのが救いでしたが、音はベニヤ板でかなりヒドかった(^_^;)。こういうのを弾いてしまうと、どうにもふだんの贅沢を思い知ります。


やっぱり、ポロンと弾いて「いい音だー!」みたいなことがないと、楽器を弾くモチベーションって上がらんのだな、と、つい思ってしまいました。ウデもないのに図々しいこと夥しいですし、何十本も楽器を買いあさった言い訳にもならんなと思いましたですけど(苦笑)。




ところで最近、ベッドルームに小型オーディオ・システムを導入しました。自作マニアには有名らしい長谷弘オーディオです。時間がある時に、ベッド周りでゴロゴロしながらクラシックなりジャズなりをゆったり聞こうという心づもり。


レコードを扱う仕事柄や、趣味でも演奏の周辺にいることもあって、レコードは所詮「インスタント音楽」と考えてはいます。生の音には絶対にかなわないですし、会社の超高級オーディオを聴いてすら、頑張ったところで、せいぜいカンヅメがレトルトに変わる程度のこと… とは思っているのですが、それでも、出ている音が「いい音だー!」となるかどうかで、音を聴くモチベーションが変わってくるのもまた事実です。特にジャズやらクラシックやらでは、奥行きとか余韻とかいうところにこだわりがちで。


結婚以降ずっと、CDなんぞラジカセで十分ということにしていたのですが、年をとったせいか心境が変化してきて、クラシックとかアコギなんぞを気持ち良い音で聴くのもいいな、という気分が高まってしまいました(苦笑)。そうなると、気持ちよく聴けるシステムが家にはなかったのです。
システムが到着して一番に聴いたのは、ラヴェルドビュッシー弦楽四重奏とかプーランク木管ソナタとか。我ながら趣味が偏ってます。このシステムで前述のCDを聴くのが今から楽しみです(^_^)。

ちなみに、サイズ的に室内楽にはちょうどいいですが、オケはさすがに苦しいようでした。聴いてみたのは「ノヴェンバー・ステップス」とか「カルミナ・ブラーナ」とか。ますます偏りがひどい。




こうやっていわゆるハイ・ファイな音を聴きながら、自分の子供の頃は、家で音楽を聴くとき音質がどうこうとかいう時代じゃなかったよなぁと考えたりもします(トシ取った証拠)。家具調ステレオが高級品で、ふだんはモノラルのラジカセだったりラジオだったりで、クラシックすら、FMからカセットにエアチェックして満足していたんですよね。その頃聴いた音楽のほうが、ずっと記憶の中で大事だったりするのは「いろいろ足りなかった」せいもあるのかな、とふと考えたりもして。


ひるがえって楽器のほうはといえば、「楽器よりウデが大事」という意見が根強いのは当然ですが…(^_^;)。でも案外、ウデが楽器に追いつかないのもまた楽し、という風に…ならんかな…(苦笑)