リアルガットと茶位マホ

 久々の弦張り替えマイ・ブームもほぼ終焉に向かいつつありますが、その中でのちょっと変わった「交換」。オールド・ルナ(No.350)に張っていたリアルガット弦と、茶位さんのマーチンコピー? に張っていたナイルガット(Aquilla)のローG弦を取り替えてみました。

 茶位さんのマーチンコピー? は、12フレット、オールマホガニーという楽器ですが、音も楽器もすごく軽く作られていて、何の弦を張っても軽い音しか出ません。フロロカーボンなど張ると、楽器の軽い材質がそのまま出て、なんとも情けない音になってしまいます。
 で、これまではいろいろ試したあげく、ナイルガットにしていたわけですが、もしかするとこれこそリアルガットの軽くて通る音に似合うのではないか、と思いついたわけです。

 しかし、リアルガット弦は今やネットでもほとんど見つからず、店舗での発見も期待薄。(アキオとかアコデで以前見かけたのですが、今はどうだか…)仕方ないので、オールド・ルナに張っていた弦を移しかえてみました。もうだいぶ古くなって痛んだ弦ですが、雰囲気くらいは判るだろというわけです。で、やはり、大当たりとはいわないまでもまずまずの当たり。どうやらこの楽器、コシのあるサステイン感のある音、というのとはまったく別な狙いで作られたんだろうな、とあらためて思ったのでした。特に手工ものの楽器には、はっきり狙ったイメージがあるな、と思います。それにしても相変わらず「音」マニアな自分…

 さて、問題は外したほうの Aquilla です。こういう新しいタイプの弦を、オールド・ルナに張るというのはどんなもんか… と思いつつ、駄目もとで張りました。そしたら、これが思った以上に良かった。枯れた楽器らしい、柔らかくて丸い音がポーンと響いて心地よいです。もしかするとこちらのほうが当たりかも。古い革袋に新しい酒、という例えがありますが、古いウクレレに新しい弦、というのもなかなか味わいがあるもののようです。